安倍晴明は、延喜21年(921年)に生まれ寛弘2年(1005年)に没した平安時代中期に実在した陰陽師である。賀茂保憲に陰陽道を学び、天文道を伝授された。51歳の時に天文博士に任じられ、その後、天皇や藤原道長の信頼を集めるようになった。 安倍晴明の出生に関しては特に謎が多く、複数の伝承が日本各地に伝わっている。その中のひとつに、晴明生誕の地として現在の筑西市にある「猫島」という特定の地名が、陰陽道の注釈書とも言われる『簠簋抄』(作者・成立年代は諸説あり)に登場し、以下のように書かれている。 …生国筑波根ノ麓猫島ノ生ノ人カト云。 しかしながら、ここに確固たる根拠はなく、猫島に残る「晴明舟つなぎの柳」「晴明橋」「晴明塚」といった名辞だけがこの伝承を支えている。何故、猫島なのか。現状、その手掛かりを得ることは真に困難であり、晴明生誕伝説の謎をより一層深めている。
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