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Hoki-Syou | The Myth of Abe-no-Seimei in Nekoshima

What is Hoki-Syou?

簠簋抄

うまれくに筑波根つくばね ふもと猫嶋ねこしまうまれひとカトいふ権化ごんげ再来さいらいひと者何いづレモうまれくにさだカナラズなり清明せひめひははハ、化来けらひひとなり遊女ゆうじょ往来おふらひものリ、往行あふげふたまフヲ猫嶋ねこしまニテひととどめラル。三年みとし滞留とどまあいだニ、いま清明せひめひ誕生たんぜふリ。すで童子どうじ三歳みとしくれうた一首いつしゅつらたまひいはク、
こひしクハたづ和泉いづみナル信太しのだもりノウラミ葛ノ葉くずのは
たまヒテ掻消かきけすやうセニケリ。ゆゑ清明せひめひ上落じようらくみきりはは讀置よみおきうた如何いかむおもヒテ、和泉國いずみのくにたずキ。信太しのだもりたずレバ、社壇やしろリキ。シテおろがみテ、はは様子やうす祈誓きせひスレバ、

【現代語訳】

生まれの地は筑波嶺の麓、猫嶋で生まれた人と伝わる。しかし、この世に再び現れたこの人の生まれの地を断言することはできない。清明の母は、超自然的な人である。遊女として旅する者となり、その道中、猫嶋にてとある人に留められた。三年滞在している間に、今の清明が誕生した。その子が三歳の時の暮れに、歌を一首つらねて言った。
「恋しければ尋ねて来なさい、和泉の信太の森に。私はそこにいます。」
と詠んで、掻き消えるように居なくなってしまった。そのゆえに晴明が上洛した時、そのことを思い出し、和泉國を訪れた。信太の森に入ってみると、社があった。伏して拝み、母の様子を神に伺うと、

つづく